同居人

昨日の夜、む~さんがしょげて帰って来ました。

何があったのか言い出すのを暫く待っていると、

「俺ってバカだよね…」

「…」

「傘なくしちゃった。」

と悲しそうな顔をしました。

む~さんは今までにたくさんの物をなくして、忘れて、落として60年生きて来たのですが、なぜかお気に入りの傘だけは失くさずにいました。

普通の傘より骨の数が多くて風に強く、でも軽量にできていて、外歩きの営業にピッタリの傘でした。

長く使っていたため布の部分が薄汚れてきたので、先週の休みに新しく買い替えたばかりの傘を電車に置き忘れてきてしまったのです。

降りた駅ですぐに駅員さんに伝えたのですが、もうなくなっていたそうです。

病後は落ち込みやすくなっているのでちょっと心配しましたが、夕飯の焼き魚を「おいしいね。」と食べた後はテレビに映った芸能人の真似をしているので大丈夫そうです。



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