寛解

同居人

む~さんは1週間で退院することができました。

コロナで面会ができなかったので、どんな様子か見当が付かずにいましたが、入院前と変わらない飄々とした姿で歩いて来ました。

退院手続きが終わった後に、む~さんの家族と一緒に少しの時間、話をしました。

む~さんは、直ぐに出勤するつもりでいたようですが、私が断固反対し、私としては労災認定してほしいくらいだと言いました。

脳梗塞になったのは、ブラック勤務先の過重労働が原因になっていると思っているからです。

でもそれにはむ~さんが反対し、出勤については暫く療養してからということで話が終わりました。

会社からも少し休むように言われて、2週間の自宅療養期間をもらいました。


療養期間中は以前と同じ感じで過ごしていたのですが、出勤を開始すると、

「もう引退かな…」とか「仕事を続けるのは難しいかも…」

と元気がない様子を見せました。

私は毎朝、

「気分が悪くなったり、体調が変だと思ったら、直ぐに病院に行くか家に帰って来て。」

と言って送り出しました。

何度か病院の受診と休職を勧めましたが、大丈夫だと言います。

む~さんの家族にも私にも必要な人なんだよ。」とラインで励ましたりしました。

む~さんは出勤を開始してから2カ月の間に3度早退して帰って来ました。

身体の具合が悪いのではなく、気力がないように見えました。

特に月に一度の全社会議の日はとても憂鬱そうにしているので、「嫌なら会社辞めなよ。」と言いました。

自分が体調が悪かった時のことを参考にして、む~さんの睡眠と食欲に気を使いました。

退院して3カ月が過ぎると、弱気なことは言わなくなっていましたが、よく眠れていないようなので、何かあるのか聞くと、「営業トークのテストがあるのに覚えられない。忘れ物が増えた。認知症じゃないか。」と言うのです。

この頃から飲酒量が増えて心配になり、む~さんの家族に相談し、メンタルの病院を受診させることにしました。





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