チョコレート

同居人

秋になって急に肌寒くなった日、久しぶりに二人とも会社が休みなので、お昼を食べに出かけないかと、む~さんの部屋のドアを開けると、エアコンからの風が顔に当たりました。

「エアコン付けてるんだ。」

「ちょっと寒くなってきたからな。」

「これ暖房?」

リモコンを見ると、冷房28度になっています。

「付けてる意味ないじゃん。」

「気持ちの問題だ。」



む~さんは夏でも生ぬるい飲み物でいいと言います。

いいと言いながらも、冷蔵庫に入っている缶コーヒーを飲もうとします。

「冷たくなくてもいいなら、箱に入ってるの出してよ。」

冷蔵庫の缶コーヒーが減るたびに、段ボールから補充するのが面倒なのと、冷たい缶コーヒーを机の上に置いたままになって生ぬるくなっているので言ったのですが、冷蔵庫に入っている方が美味しそうに見えると言うのです。



忘れ物が多いむ~さんですが、忘れないこともあります。

頂き物のチョコレートがとても美味しかった時のこと、朝ごはんを食べ終わると、「昨日食べたチョコレートが1つ残っている」と言って、食べました。

忘れてしまうことと、覚えていることの違いは何なのでしょうか。



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