む~さんは掃除は嫌いですが、洗濯は嫌いじゃないようです。
靴下はひっくり返し、Yシャツは襟汚れ用の洗剤をぬりぬりして洗濯機を回します。
洗濯が終わったらピンチハンガーに丁寧に干すのですが、ひとつ気になるのは、タオルのような長い物をハンモックのように干すのです。
「そのハンモックみたいな干し方は何?」
聞いてみると、
「バランスをとってるんだ。」
と答えました。
干し終わると、満足そうに全体を眺めてから外に出します。
ある日、部屋の中で鴨居にピンチハンガーを掛けて、洗濯物のセットが終わってからベランダに出そうとしていたのに、セットの途中でバランスを崩し、ピンチハンガーごと床にドサッと落ちてしまった時、
「洗濯嫌いになった。」
といじけてしまいました。
病後のむ~さんはちょっとしたことでヤル気を失くすことがあり、引きずってる間、どんよりして雰囲気が悪くなるので、それからは干し終わるまで遠目で見守ることにしました。
洗濯物を干しているむ~さんは、Tシャツの裾がジャージから飛び出していて、そのジャージには朝食べたご飯粒がくっついています。
こどものような大人が不器用な手で作業している姿は微笑ましいです。