私は自分はストレスに強い人だと思っていました。
会社でもプライベートでも、たくさんのことを乗り越えてきた自信もありました。
でも、更年期の体調不良になってみて、我慢のし過ぎに気づいていなかっただけだとわかりました。
母の介護生活が長くなって疲れ切っていた時に、実家から自分の家に帰ろうとする足が前に出ないことがありました。
早く帰ってくつろぎたいのに、足が動かないのです。
どうにか重い足を引きずるように動かして、タクシーに乗って家に帰りました。
その状態は1ヵ月くらい続きました。
他には、テレビ番組でモーニング娘が明るい曲を歌っているのを見ていると、悲しくないのに涙がポロポロ流れたこともありました。
後になって、それらは心が疲れているということを知らせるサインだと知りましたが、当時はわかりませんでした。
今から思うと、子どもの頃はあまり好きではなかった「水戸黄門」の再放送で、悪を成敗するシーンを見た時に、なぜかウルウルしてしまった頃には既に、心が疲れていたのだと思います。
介護生活の間には、無性にイライラした時期もありました。
やさしく接したいと思っているのに、何を頼まれてもイラッとしてしまうのです。
でも仕事で担当しているお客様から「父が亡くなる前の日に、口喧嘩したのが最後になってしまった。」という話を聞いて、私はそうならないようにと気を付けるようにはしました。
母親に認知症の症状が出て介護保険を利用しながら、母と息子で生活をしている知り合いのタカさんは、介護経験者の私に、たまにアドバイスを求めます。
私は「離れる時間を作る」ことを勧めます。
介護保険で利用できるデイサービスやショートステイに行ってもらって、可能な限り自分でやらないようにすることが、長く上手にやっていくのに必要だと思います。
ショートステイを利用する前は、「おふくろ大丈夫かな」と、90才を過ぎた母親のことを心配した60代の息子タカさんでしたが、月1で定期的に利用することによって、リフレッシュできている様子でした。
以前の私は、ストレスに強いと思っていただけで、身体は正直です。
ストレスを感じるようになった今は、以前よりストレスに弱くなったように思いますが、弱くなったのではなく、正しく感じているのでしょう。