散歩

同居人

隠れてジンを足している姿を見られ、気まずい雰囲気になってしまった休みの日、残暑のクソ暑い中、む~さんは一人で散歩に出掛けました。

む~さんは私よりゆっくり歩きます。

私は目的地に向かってよそ見もせずに歩きますが、む~さんは途中で気になる物が多く、歩きが遅くなるのです。

なので、駅に向かう途中の商店街の情報をむ~さんはよく知っています。

帰って来てからも私の機嫌を伺っているので、八百屋で買った梨を剥いて出しました。

食べてみると、とても美味しい梨でした。

む~さんも美味しいと感じたのでしょう。

口に入れた梨を噛みながら、楊枝を持った手は次の梨を刺そうと準備しています。

私が、中途半端に上がった腕を見ながら

「何だその手は。」

と指摘すると

「キツツキ作戦だ。」

と言われ、思わず笑ってしまいました。

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