お医者さんからの指導で、む~さんは朝と夜に血圧を計ります。
退院してから暫くは、血圧の数値に私がとても敏感になってしまい、高めの数値だと不安になっていました。
不安は伝わるもので、だんだんとむ~さんも数値に敏感になってしまいました。
お医者さんは、「血圧は少しずつ下がるようにコントロールしていきます。」「寒い季節は血圧が上がります。」と言うのですが、む~さんは高い数値が出ると、「はぁ」と苛立ちを隠せません。
そして
「この血圧計で計ると高い数値がでるんだ。」
と言うようになりました。
その血圧計は腕を中に入れて計るタイプのもので、病院の待合室でもよく見かけます。
む~さんが嫌な気持ちになるのが可哀そうなので、同じタイプで他のメーカーのものに買い替えることにしました。
ところが新しい血圧計でも、同じでした。
「家で計ると、病院で計るより高いんだ。」
健康診断や受診の時に計るより、家で計ると数値が高くなると言うのです。
白衣恐怖症とかいう、病院で白衣を見ると緊張して血圧が上がるというのは聞いたことがありますが、む~さんは家の方が緊張するのでしょうか…
買ったばかりで勿体ないのですが、む~さんが気に入る血圧計を買いに行かせました。
3台目は腕に巻くタイプで、スマホに対応しています。
以前に買った体重計と同じメーカーなので、体重と血圧をグラフで管理できます。
ようやく求める血圧数値が出せるようになったむ~さんは、グラフを嬉しそうに確認するようになりました。
不思議なことに、それからは増えていた体重が少し減り、
「2キロ瘦せたんだ。」
確かに顔が少しスッキリしました。
「でもお腹はへこまないんだね。そのお腹の中には何が入ってるの?」
と、中年太りの丸いお腹を指さすと、
「希望。」
と答えました。